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食支援プロジェクト(SPJ)

プロジェクト概要

多職種連携によるミールラウンド
名称:食支援プロジェクト
略称:SPJ
理念:口腔ケア、摂食・嚥下、 栄養の3つの柱をアシストし利用者様の食を大切にする                           
目的:利用者様が最期を迎えるその時まで、口から食べる楽しみを得られること
開始日:2019年12月5日
 
歯科医師、歯科衛生士、介護職員、管理栄養士、看護職員が多職種連携をし、利用者様の食をアシストしています。
 
主な取り組み
  • 毎月1回 歯科医師による口腔衛生指導
  • 毎月2回 歯科衛生士による口腔ケア&口腔衛生評価
  • 毎月4回 多職種連携によるミールラウンド、摂食嚥下・栄養評価

プロジェクトリーダーの思い

 七美ことぶき苑で看護師として働く傍ら、プライベートでは米、野菜、果樹、原木椎茸の栽培をさせて頂いております。野菜や果樹に関しては無農薬、無肥料、除草剤も使用せずに、土の持つ本来の力を利用した栽培方法を実践しています。
 様々な農作物を作る上で、自分の生産した作物を美味しいと感じて頂ければ、また健康の為になってもらえれば生産者としても看護師としても幸せに思います。このように食の力で、自分に何が出来るかを日々考えてきました。
 七美ことぶき苑の利用者様には、口から食べたいと望まれる方々のご希望に沿い、多職種と連携しながら口腔衛生や嚥下機能訓練、栄養指導に取り組んでいます。このプロジェクトを推進しこれからも取り組ませて頂く所存です。

山田歯科医院 夏目医師による定期的な訪問診療

 ご高齢になると、どなたでも飲み込みの機能が低下してきます。機能低下には、利用者様の疾患による影響、内服している薬の影響、口腔衛生の状態、使用している義歯や口腔ケア物品等様々な因子が複雑に関わっています。
 七美ことぶき苑では、山田歯科医院と提携しており定期的に夏目医師に訪問診療して頂いています。利用者様が、口から食べる楽しみを少しでも長く得られるように、義歯の調整や口腔衛生、嚥下訓練指導等多岐に渡り診療して頂いており、利用者様の口腔機能維持に尽力して頂いています。

充実の口腔ケア用品

 口腔ケアの目的は虫歯や歯周病予防、口臭予防に限りません。誤嚥性肺炎の予防や、粘膜ケアにて食べ物や唾液を飲み込む機能も向上させます。
 七美ことぶき苑では、歯科衛生士の指導の下、利用者様個人に適した口腔ケア用品を使用し、口腔ケアの技術も向上させています。

嚥下内視鏡検査

 特別養護老人ホーム七美ことぶき苑としては初めて、利用者様への嚥下内視鏡検査を行いました。嚥下内視鏡は、鼻腔より内視鏡カメラを咽頭に挿入し、食物の飲み込みを観察し、検査結果をふまえて、今後の食事形態や食事時の姿勢を調節し、また、嚥下訓練を計画し、口から食べることをアシストします。
 今回の検査結果を基に、解剖学的観点から食事に使用する道具の変更や食事姿勢について協議し、介護計画にフィードバックしました。
 SPJは、これからも利用者様の食事のアシストに尽力していく所存です。

(2021/5/2)

3年ぶりの食事

特別養護老人ホームのような慢性期の施設においては、嚥下状態の評価が難しく、食べることが可能なのに胃瘻からの経管栄養が続けられているケースが多くあると推測されます。胃瘻造設が必要な急性期の状態を経て、回復期~慢性期と移行していく中で幾つもの病院や施設を経て経管栄養している現状が当たり前となってしまっています。

今回、食支援チームでは、胃瘻造設にて経管栄養中の利用者様が唾液でむせることはなく上手く飲み込んでおられることから、経口摂取が可能ではないかと考え嚥下内視鏡検査を実施しました。長年経口摂取していなかったこともあり、開口困難があり5か月に渡る毎日のリハビリで歯ブラシやスプーンが入る程度まで回復しこの日の検査を迎えました。

検査の結果、これから毎日、食材や姿勢を工夫しながら経口摂取をすることにし、3年ぶりにヨーグルトを口から食べました。

「ヨーグルトの匂いや味を久しぶりに感じた!」と利用者様の喜びの言葉を聞くことができ、より一層食事の支援を頑張ろうと決意いたしました。

(2021/6/12)
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